高くなり過ぎた木を低くするには?
大木の剪定と伐採
大きな木は見栄えがしますね。
私達人間に木漏れ日を与え、鳥や虫にとっても休み場所になってくれます。
しかし街の大木は、いずれにせよ剪定するか伐採せざるをえない日が来ます。
・枯れ枝や枝に溜まった雪が、人や施設に被害を与えかねない
・日を遮っている
・落ち葉が多過ぎる
などなど。
いずれにしても人の勝手ですが、人が植えた木は人が手入れしたり終わらせたりするのが道理なのかもしれませんね。
今回は大木の管理について、「樹勢回復」以外の「剪定」と「伐採」について解説いたします。
大木を低くするための剪定は?
結論から言うと、残念ながらうまくいかないことが多いです。
なぜなら、大きくなり過ぎた木は残すべき内側(もしくは低い位置)の枝葉が少ないからです。
↓結果的に、街でよく見かけるこんな剪定になってしまいます。
これは外側の枝葉のみ落とした状態です。
大きい木を小さくするための理想は、内側の枝葉を残しつつ、適正な箇所で伐ることです。
しかし、大きな木になると自然と内側の枝葉は外側に負けて(日射が遮られて)枯れ落ちてしまい、新しいものも生えにくくなります。
そうなると、自然の樹形のまま小さくしようとしても難しいのが実情です。
上の写真の木は、まともな職人の間では「ブツ切り剪定」などと揶揄されるやり方です。
おそらく「とにかく低くして、葉を減らしたいけど、安くしてね」という依頼だったのでしょう。
職人も「こんな剪定したくねえなぁ」と思いながら作業していたのかもしれません・・・。
伐採して育てなおす、という選択肢
切ないかもしれませんが、場合によっては伐採してしまうのも一つの手段です。
個人的には、幹の直径20㎝、樹高7m(一般家屋の2階の屋根くらい)を越えるような木は、剪定ではなく伐採をおすすめしています。
そして、伐採した跡に芽吹いてきたものを育てるというのもいいですよ。
←これは樫で、まだまだ何本も芽吹いてきます。
松や杉はダメですが、萌芽力が強い広葉樹などはこうして再生可能です。
成長を見るのも楽しみですね!
持続可能な木とのお付き合いを!
「邪魔だし、手入れが大変だからなあ」
「せっかく伐ったのにまた大木になったら困るよ」
という意見もごもっともです。
しかし、最近注目されるヒートアイランド現象、要するに「街の酷暑」ですが、たとえ1本の木でも冷却に効果があるとのことです。
伐採後の芽吹きから育てて適正に手入れをすれば、大した手間をかけずに小さく保てますよ。
せっかく土地をお持ちなら、丸裸にして砂利敷きにせず、わずかでいいので木と土を残していただきたいですね。
きっと、皆さんの日常に彩りを与えてくれます!
記:稲垣
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