庭木が育ちすぎた!小さくする方法とNG例をご紹介
庭木が高くなりすぎてしまって、困ってしまった経験はありませんか?成長しすぎた庭木は、剪定を正しく行えば小さくすることが可能です。この記事では、庭木を小さくする方法をご紹介します。剪定に関する基本的な知識や、木を傷めてしまうNG行為についても解説するため、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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剪定とは
剪定とは、木の不要な枝や葉を取り除いて、木の形を整える作業です。木の見た目が良くなるだけではなく、木全体のエネルギーバランスを整えて新しい実や花にも養分を行き渡らせる効果もあります。また不要な枝や葉を取り除くことで病害虫や木の枯れを予防できるため、木の健康状態にも大きく関わっている作業なのです。
剪定には、いくつかの方法があります。切り戻しや芯止めについては後ほどじっくりと解説するため、まずはそれ以外の方法を見ていきましょう。
芽摘み
芽摘みとは、木にできた新芽の先端を手やハサミを使って摘み取る作業です。伸びを抑えて枝の成長を穏やかにするだけではなく、さらに他の小枝が出るように促す効果もあります。樹木の形を整え、光の当たり方や風通しが良くなることにもつながるため、庭木が美しい見た目や健康を保つためには欠かせません。
刈り込み
刈り込みも伸びた枝や葉を切る作業ですが、こちらは木の形を整えて理想に近づけることが目的です。刈り込み専用のハサミや電動バリカンを使用して、高さや幅を整えます。丸く形が作られているツツジや、表面が平たくなっている生垣などが刈り込みをした植物の代表例です。
芽や枝の向きなどの細かい見極めが必要ないため、短い時間で仕上がります。刈り込みを行う場合、内部の枝葉までは整えないため、風通しが悪くなってしまいます。また切りっぱなしにすることで、切断部分が枯れてしまうなどのデメリットがあるため理解しておきましょう。
透かし剪定
透かし剪定とは、枝の密度を下げたり伸び過ぎた枝を切ったりする場合に使われる方法です。透かし剪定を行うことで養分が均等に行き渡るため、内側に生えている枝葉も健康を保てます。透かし剪定を行うためには、不要な枝を選んで適切な位置で切る必要があるため、木の生態に関する知識が必要です。
庭木を小さくする方法①切り戻し
切り戻しは、枝を切って樹形を小さくするための剪定方法です。伸びた枝を、根本ではなく途中の部分で切って新芽を残すことで、残った部分からより強い枝が出ます。また切り戻しには、不要な枝を切り落とす作業も含まれます。必要な枝と不要な枝を正しく見極めることが重要です。
定期的に切り戻しを行うことで、木の高さを抑えたり、新しく出た芽や花に栄養を回したりできるなどのメリットがあります。ここでは、切り戻しを行うタイミングや、切り戻しの方法をチェックしていきましょう。
切り戻しを行うタイミング
切り戻しを行うのに、ベストなタイミングをご紹介します。
不要な枝が目立ってきたとき
切り戻しは、樹木の形の乱れを感じたときや、不要な枝葉が目立ってきたときに行います。完全に形が崩れてしまい、見た目が悪くなってしまう前に切り戻しをしてください。飛び出た枝葉を思い切って整えてしまうことで、すっきりした見た目の庭木が作れます。花が咲いたときにも、株の大きさや樹形が整っている方がきれいに見えますよ。
休眠期
古い枝や、株分けなどによって弱った枝が多い場合には、休眠期が終わる前に切り戻しを行います。適切な時期に切り戻しをすることで、休眠から目覚めたときに成長が始まり、新たな枝を伸ばしてくれます。
晴れの日
庭木の剪定を行う際には、多かれ少なかれ枝にダメージを与えてしまうものです。ダメージを少しでも軽減するためには、カラッと晴れた日の午前中に切り戻しを行いましょう。晴れの日で湿度が低ければ、切り口がすぐに乾燥するため、病気にかかったり害虫が発生するリスクを低減できます。
開花が終わった後
花が咲き終わったらすぐに、花首か枝元から切り落としてください。花は首の部分が残っている限り、養分を吸い上げてしまいます。そのため、咲き終わった花を残していると、新しく出てくる芽や開花しようとする花の成長を妨げてしまいます。
切り戻しの方法
切り戻しを行う際には、木の高さを低くするため、枝の2分の1〜3分の1の位置で切りましょう。切る場所を間違えてしまうと、残した枝から細かい枝が生えてしまい、形が乱れてしまいます。基本的には、枝元や株元から切る点を覚えておきましょう。
また枝の膨らんでいる場所は、新芽が出てこようとしている部分です。枝や花の数を増やしたい場合には、この部分を残しましょう。花や枝の数を減らしてボリュームダウンしたい場合には、新芽の部分から切ってください。
庭木を小さくする方法➁芯止め
庭木は最も成長する頂点の部分(成長点)が最もよく育ち、周りの部分は勢いが弱まります。芯止めは、その成長点を切って脇芽を出したり他の部分に養分を回したりすることで、庭木の高さを抑える剪定方法です。
芯止めを行うタイミング
芯止めは、樹木の成長する初期段階で行う手入れ方法です。芯止めは、高く伸びる主枝を切って脇芽を増やすことで高さが出ないように抑えつつ、横にボリュームを出せます。ある程度成長してしまうと、脇芽が増えづらくなってしまうため横に幅を出しにくくなります。縦の成長が抑えられれば問題ないという場合には、成長しきってからでも構いません。
ここからは、芯止めを行うベストな時期を、樹木の種類別にご紹介します。
落葉樹の芯止めを行う時期
梅や桜、ハナミズキ、アジサイなど、落葉樹の芯止めを行うのにベストな時期は、11月から2月ごろにかけての冬季です。この季節の庭木は休眠期に入っていて栄養を溜め込んでいるため、枝を切った際のダメージを減らせます。
常緑樹の芯止めを行う時期
ヤマモモやユズリハ、ジンチョウゲなど、常緑樹の芯止めを行うのにベストな時期は、暖かくなってきた頃〜暑くなる前の間です。常緑樹は1年中光合成ができるため、養分をストックできません。そのため、穏やかな季節を選んで選定しなければ、大きなダメージを受けてしまいます。
芯止めの方法
芯止めの方法は、ノコギリやチェーンソーを使用して、樹木の頂点にあたる最も高い枝を切ってしまうだけです。芯止めを行うと、別の枝が新たな芯になるため、その枝が伸びてきたら再び芯止めをします。この作業を繰り返すことで、理想の高さに抑えることができます。
剪定をするときのNG例3選
ここでは、剪定をするときのNG例をご紹介します。
夏に剪定を行う
多くの木が成長時期を迎える夏に剪定すると、せっかく切っても再び枝や葉が伸びてしまい、場合によっては木の形が崩れてしまうケースがあります。また夏の成長期には、植物はたくさんの栄養を使います。栄養のない状態の木に剪定を行うと、木が弱ったり、枯れて花が咲かなくなってしまったりする可能性があるため、夏場は避けて下さい。
切り口をケアしない
切った場所の切り口を放っておくと、そこから水分や雑菌が入ってしまうため、木が弱ってしまいます。剪定後には、植物の治癒力を高めてくれる「癒合剤(ゆごうざい)」を切り口に塗布して、保護してください。ホームセンターや園芸店の薬品コーナーで販売されています。私は「トップジン」という製品をよく使います。黄色いパッケージが目印なので、探してみてくださいね。
無理をしてしまう
低い木であれば、手入れに挑戦してみるのもいいかもしれませんが、高くなりすぎた木は業者に任せましょう。高い木を触る場合、ハシゴなどの不安定な足場で作業を行うことになります。作業自体が難しくなってしまうだけではなく、最悪の場合大ケガにつながってしまうケースもあるため、できるだけ避けて下さい。
剪定をせずに放置しているとトラブルを引き起こすことも
放置している木には害虫がつきやすい傾向があるため、木の内部が食べられて中がスカスカになってしまう場合があります。弱った木が強風や地震などの自然災害によって倒れると、家が損壊してしまう危険性があるため、十分に注意しましょう。
また大きくなりすぎた樹木をそのままにしていると、近所の家の敷地内に落ち葉や枝が侵入して、不快感を与えてしまいます。自分の家の庭木が原因で、他人の所有物やその人自身に被害を与えてしまった場合には、多額の損害賠償の支払いが必要となるケースも珍しくありません。大きなトラブルに発展する前に、庭木のメンテナンスをしっかり行っておきましょう。
木が好き放題に伸びてしまって手に負えない場合や、知識やスキル面に自信のない方は、庭木を専門としているプロの業者に依頼しましょう。相談や現地調査、見積もりだけであれば無料の場合もあるため、悩んだときにはぜひ相談してみてください。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、庭木を小さくする方法を紹介しました。庭木を小さくするためには、切り戻しや芯止めなどの方法がありますが、木の状態や樹木の種類、季節に合わせて適切に対応することが求められます。
木はデリケートなので、手入れの方法を間違ってしまうと枯れたり花が咲かなくなってしまったりする場合があります。また木が高くなってしまうと、高所での作業が伴うこともあるため、不安のある方はプロの業者に依頼することをおすすめします。
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