刈払機の刃はどんな種類がある?それぞれのメリット・デメリットは?
刈刃の種類は千差万別
草刈りを劇的にラクにする刈払機。
その刈刃でよく見かけるのは、鉄の円盤にギザギザの刃がついたものではないでしょうか。
刃の種類はそれだけではなく、用途や状況に合わせて色々なものが作られています。
今回は主なものの種類と使い方を紹介します。
チップソー
先に紹介した「よく見かけるもの」です。
回転する刃でスパッと切るタイプです。
刃を拡大してみると・・・・
↑黄色丸の部分のように、刃の先端に「チップ」という本来の刃が後付けされています。
これが丸くなったり欠けたりすると、格段に切れ味が落ちます。
刃の数にバリエーションがあり、刃数が多いものほど堅い草木を切ることができます。
他の刈刃に比べて切れ味が良いだけに操作が軽く、燃費が良く、刈払機のパワーを必要としません。
その刃でもって自分や他人を傷つけてしまうこともありますが、チップが欠けて飛んでいって人を傷つける可能性もあります。
実際にそれらによる事故は起きており、欧米では規制もあるようです。
☆軽量な低パワー機で、燃費良く速く草を刈りたい人におすすめです。
ナイロンコード
樹脂製の紐を回転させて、草を断ち切るタイプです。
コードの太さは直径2㎜~4㎜台まで、断面形状は丸、四角、螺旋状、ギザギザ付きなど多数あります。
チップソーほどの切れ味はありませんが、草を切るというより「叩く」ことにより刈草が粗く砕かれます。
砕かれた草は土に還りやすいので、刈草の回収をしなくても良いのがラクですね(どこまでをキレイと思うかによりますが)。
刈刃の中では唯一の非金属なので自傷しにくく、石などに当てて刃が急に弾かれたりする(「キックバック」と呼ばれる現象)、というような危険性が低いのも大きな利点です。
ただし、チップソーと比較すると小石を飛ばしやすいのはナイロンコード!という事実があります。
チップソーは刃が密に並んでいますが、ナイロンコードは刃(コード)と刃の間が広いので、そこに石が深く入りやすい=掴みやすいのです。
同様に草もとても飛ばすので、草刈り用のエプロンやフェイスガードの着用がおすすめです。
間違って車に飛ばすと、あっという間に固着して取れませんよ。
チップソーよりも切れない=抵抗が大きいため燃費が悪くなったり、機械に負荷がかかりやすくなるのも欠点です。
特に、軽量低パワーで耐久性の低い刈払機に太めのコードを装着すると、抵抗が大き過ぎてベアリングなどが壊れてしまいます。
☆周囲に保護対象(人や車、施設)が無く、まだ細めの柔らかい草が対象で、刈草を集めるのが面倒な人におすすめです。
刃数が少ない鉄の刃
形状によって「シュレッダーブレード」「ブラッシュナイフ」「2枚刃」「3枚刃」などと呼ばれています。
刃の厚さも様々ですが、3㎜以上のものは「ナタを高速回転させている」ようなものであり、かなり硬めの草を砕くことができます。
↓現場的には、シュレッダーブレードを使えば、こちらのジャングルが1時間後には
↓こうなります。
もちろん、草は一切集めずにその場で砕いてばらまいています。
その様は草を刈る、というよりまるで「草を消す」ようです。
ただし、その破壊力の代償として、ナイロンコードやチップソーの悪い点がさらに悪くなる、と言い切れます。
つまり
キックバックが激しい
丈夫な刈払機のみ使用可
人の骨もたやすく砕く
刈草だけでなく石も弾き飛ばす
と、扱いの難しい刃と言えるでしょう。
☆あらゆる草を粉々にできる破壊力№1、刈草集め不要の便利な刃ですが、リスクマネジメントのできるプロ用と考えるべきです。
ハサミ刃
2枚の刃をすり合わせて、ハサミのように切るタイプです。
左はゆっくり異方向回転し、右は往復運動して挟むものです。
これまでの刈刃のように高速回転するものではないので、石や草を当ててもまず飛ばしません。
それゆえ、高速道路の雑草管理では唯一使用を許されている刈刃です。
私も道路や施設が近いところや砂利敷きの場所で愛用していますが、ちょっとした芝刈りにもいいですよ。
そんな安心の刈刃ですが、もちろん弱点はあります。
刈るスピードは遅く、かなりゆっくり動かしてやらないと刈り残しばかりになってしまいます。
それゆえ、チップソーに慣れた人持たせると「こんなもん使えねえ!」となってしまい、不人気ではあります。
また、一般的に高価であり、刃を研ぐのも面倒です。
☆刈る効率よりも安全性を重視する人におすすめです。
適材適所の刈刃選びで快適な作業を!
以上、様々な刈刃のご紹介でした。
目的、立地、人に応じて選ぶことで草刈りの効率は大きく変わりますし、使い方を誤れば取り返しのつかない事故にもなりかねません。
ご参考いただき、よき作業にしてくださいね。
記:稲垣
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